2016年11月15日火曜日

公認会計士試験合格にどの程度の勉強時間が必要なのか part 1

このページに書くことは、公認会計士試験だけに限らず、色んな事に応用できることだと思いますので、そのつもりで読んで下さい。

1 公認会計士試験合格に必要だと一般的に言われている勉強時間


公認会計士試験を受験したい、と少しでも思った皆さんが、最初に思う疑問は、何でしょうか?
  • 難易度はどうなのか?
  • 合格率はどうなのか?
  • どれ位勉強しないといけないのか?
そうですね。要は、どれ位大変なのか、を知りたいはずです。
まず、それについて実体験を交えて話をしたいと思います。
公認会計士合格に必要だと一般的に言われている勉強時間は4000時間です。(TACの教科書に書いてありました)
1年が8760時間です。毎日7時間眠って、食事・お風呂・移動等に3時間かけるとするとそれだけで3650時間なくなりますから、
もしこれが本当なら結構な時間が必要だと言われていることになりますね。
これを聞いただけで公認会計士受験をためらう人もいるかもしれません。
特に社会人にとってはこれだけの時間を確保するのは中々大変だと思います。
でも、これは本当なのでしょうか?

2 長時間勉強することの3つの弊害


結論を先に述べると、公認会計士試験に合格するのにこんなに勉強時間は要りません。
確かに、TACでも、「俺は昨日10時間勉強した。」とか自慢げに話している人は結構いました。
でも、皆さんの目標は何でしょうか?
「公認会計士試験に(できればいい成績で)合格すること」が目標であって、
「公認会計士試験の勉強を(無駄に)長くすること」が目標ではありませんよね。
それなのに、時間だけかけて試験勉強をした気になり満足するのはよくありません。
確かに、同じ人が100時間勉強するより200時間勉強する方が成績がよくなることが多いのは事実です。
ですが、思い出してみて下さい。
高校時代、高3の冬休みまで運動部で部活やっていた子が、平気な顔して東大理三に現役合格していきましたよね。
一方で、朝から晩まで塾に通っていても、東大はおろか、私大に現役合格できない子もいましたよね。
この様な差が生じるのは、勉強のコツを知っているか知らないかの違いによるものなのです。
コツを知っていれば、長時間勉強する必要はありませんし、このコツを知らないなら長時間無駄に勉強して勉強した気になるしかありません。
このコツを知らず、長時間勉強することには、3つの弊害があると思います。
  • プライベート(恋、楽しい学生生活、会社勤め、家庭、趣味)が犠牲になる
  • 勉強に使っているツールによってOverfitting (過剰適合)が行われてしまう
  • 根拠のない自信が養われてしまう

3 なぜ長時間勉強しないで済むのか


折角なので公認会計士風に考えてみて下さい。
例えば、会社で不正取引が行われていないという合理的な保証を得るために、皆さんは何をしますか?
その年度のその会社の取引全ての証憑書類を確認し、取引先全てに確認し、全ての在庫を実査しますか?
しませんよね。多分、一部の取引だけを取り出す試査により合理的な保証を得ると思います。
これはなぜかというと、
  • 監査上、時間・費用・人手等の制約がある
  • 財務諸表監査の目的が重要な虚偽表示の不存在に関する合理的な保証であることについて社会的な合意がある
  • 有効な内部統制が存在している
  • 統計理論/技術が発達している
という4つの理由によるのでしたよね。
同じことです。
  • リアルの人生を楽しむための制約がある
  • 公認会計士試験にいい成績で合格するのが目的であるという社会的な合意がある
  • 効率のいい勉強法を知っている
  • (例え同じ知識量でも)試験場で問題を解くスキルが高い
だから、より軽減された勉強によって公認会計士試験に合格できるのです。
この効率のいい勉強法や、問題を解くスキルについては、長くなるので別の記事で紹介させて頂きます。

4 私が公認会計士合格までに勉強に費やした時間


長くなるので 公認会計士一発合格までの時間の使い方と成績推移(社会人の実体験) で、どういう時間配分で勉強したか等については書かせて頂きましたが、
私は公認会計士試験合格までに、TACの授業で600時間程度、答練やアクセスや模試の受験で250時間程度、授業や模試以外の時間(つまりTAC以外での勉強時間)で600時間程度、合計1450時間程度を勉強に費やしました。
2年で合格を目指すとすると、1日2時間程度なので、そこまで大変じゃないと思います。

5 公認会計士合格に本当に必要な時間


公認会計士試験合格に必要な勉強時間の目安は何時間程度でしょうか?
実体験を踏まえた上で、目安として以下の数式を私は提案したいと思います。
 必要な勉強時間 = (4000 x A)時間
  A : 勉強の効率ファクター
   0.4 : とても効率のいい勉強法 (東大理三・京大医学部合格レベルをイメージ)
   0.6 : まあまあの勉強法 (東大・京大現役合格レベルをイメージ)
   0.9 : 普通の勉強法 (早慶合格レベルをイメージ)
   1.2 : 効率の悪い勉強法
ただ、大切なことは、この数式で必要とされる時間勉強することではありません。皆さんが意識するべきことは、勉強の効率を上げることです。

6 最後に


公認会計士試験だけに限りません。中学受験、高校受験、大学受験、司法試験、何でもそうだと思います。
公認会計士試験に合格するための勉強時間は、出来る限り短くすることを私はオススメします。
効率のいい勉強法、問題を解くスキルって何か?については、この記事に書くと長くなってしまうので、別の記事で書いていきたいと思います。

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