2016年11月17日木曜日

ブラックフライデーと任天堂

今週の11月25日はブラックフライデー(Black Friday)ですね。ブラックマンデー(Black Monday)みたいに不吉な名前をしていますが株価が暴落する訳ではありません。11月第4木曜日が感謝祭(Thanksgiving Day)でアメリカでは祝日ですが、ブラックフライデーとはその翌日のことです。この日はクリスマス商戦の初日であると同時に感謝祭プレゼントの売れ残り一掃セールの日で、信じられない割引価格で商品が売られます。そのため、ブラックフライデー前日の感謝祭の夜からアメリカ中の小売店の前には開店を待つ大行列が出来、 ブラックフライデーは一年で最も商品が売れるのです。

前世代のゲームボーイアドバンスやゲームキューブがコアなゲーマーにのみ受け入れられ、ライトユーザーのゲーム離れが進む中任天堂から発売されたのが、ニンテンドーDSやWiiでした。タッチスクリーン等の直感的なユーザーインターフェイス、すれちがい通信という通信機能を有するDS、Wiiリモコンによる直感的な操作が可能なWii、これらは斬新で、脳トレといった非ゲーマー層にも楽しめるソフトの力もありゲーム人口の拡大をもたらし、いずれの商品も販売台数が1億台を超える爆発的なヒット商品となります。任天堂の株価はうなぎ上りに上がり、一時期7万円まで到達しました。
ハードウェアが売れれば売れる程、ソフトメーカーがソフトを作りたくなり新作ソフトを投入し、新作ソフトが出れば出る程、魅力的なソフトをプレイしたくてハードウェアが売れ・・・、という好循環を回すことが据え置き機のゲームビジネスでは重要ですが、DSとWiiではこのサイクルが見事に回ったのです。
その様なDSもWiiも発売から数年過ぎ陳腐化の進む中、任天堂がDSとWiiの後継機として投入したのはニンテンドー3DSとWiiUでした。
しかし、3DSやWiiUは売れませんでした。DSやWiiは共に1億台以上を売り上げた一方で3DSは6000万台、Wii Uに至っては1000万台しか売れませんでした。ハードウェアが売れないから新作ソフトが出ず、だからハードウェアも売れないという負のスパイラルに陥ったのです。
もちろん、3Dでプレイできるというコンセプト、ゲームパッドを使えばテレビ無しでもプレイできるというコンセプト、携帯ゲーム市場の発達といったことが売れなかった主要因でしょう。しかし3DSは商品の投入時期がブラックフライデーに間に合わず初期段階において普及が進まなかったこともヒットしなかった要因の一つです。

ポケモンgo以降株価が高止まりしている任天堂はNintendo Switchを2017年2月に発売するそうです・・・。ブラックフライデーをハナから諦めて大丈夫なのでしょうか?

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