公認会計士を社会人が目指すということについて、社会人である私の実際の合格体験を踏まえて今日のブログでは考えたいと思います。
私は理系修士卒の30代の社会人で、社会人になってから今まで会計や経理とは全く関係ないことを仕事にしてきました。ある時、公認会計士になろうと思い立ちました。なので、公認会計士を目指そうかどうしようか、仕事を続けようかどうしようか、といった社会人特有の悩みも、おれ理系なんだけど、という悩みも、俺結構年取ってるんだけど、という悩みもよく分かり、皆さんのお役に立てるのではないかと思います。
また、学生時代に公認会計士試験の勉強をしていて挫折し社会人になってからリベンジする人がよくいますが、私は違います。完全に初学者です。そこから、1.5年で一発合格しました。本試験の順位は49位でした。きっと、私の勉強の仕方を真似すれば、社会人だけではなく学生の皆さんも上位合格出来るものと考えています。
このブログが皆さんの助けになれば幸いです。 ちょっと長い記事になりますので目次から好きな所に飛んで下さい。
私は理系修士卒の30代の社会人で、社会人になってから今まで会計や経理とは全く関係ないことを仕事にしてきました。ある時、公認会計士になろうと思い立ちました。なので、公認会計士を目指そうかどうしようか、仕事を続けようかどうしようか、といった社会人特有の悩みも、おれ理系なんだけど、という悩みも、俺結構年取ってるんだけど、という悩みもよく分かり、皆さんのお役に立てるのではないかと思います。
また、学生時代に公認会計士試験の勉強をしていて挫折し社会人になってからリベンジする人がよくいますが、私は違います。完全に初学者です。そこから、1.5年で一発合格しました。本試験の順位は49位でした。きっと、私の勉強の仕方を真似すれば、社会人だけではなく学生の皆さんも上位合格出来るものと考えています。
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- 公認会計士の仕事
- 公認会計士試験の概要
- 合格までに必要な勉強時間の目安
- 予備校か独学か、通学か通信か?
- 社会人は働きながら公認会計士試験に合格できる!
- 仕事を辞めるべきか?
- 公認会計士は目指す価値があるのか?
- 働きながら合格するために (社会人が公認会計士試験に合格するための障害とその克服法)
- 最後に
公認会計士の仕事
公認会計士の多様な仕事内容
まず、そもそもですが、公認会計士とは何でしょうか?公認会計士(Certificated Public Accountant)とは、会計の専門家であり財務諸表監査を独占業務としています。また、財務諸表監査以外にもコンサルティング業務や税理業務も行います。組織内会計士として、経理・会計業務に携わったり、CFOとして経営に関与したりもします。
なぜ財務諸表監査が公認会計士の独占業務なのか?
株式や債券に投資する投資家は投資対象がどの程度利益を上げたか、財務基盤は良好かを知りたいものです。この情報を企業は財務諸表の形で投資家に提示しますが、投資家はその情報が虚偽なのではないかという疑問を持ちます。そこで、独立した立場から財務諸表の信頼性を証明する役割を担う(財務諸表監査を行う)人が必要になります。これが公認会計士です。この財務諸表監査には高度な専門知識と独立性が要求されるため、公認会計士の独占業務となっているのです。 この様に公認会計士がいることで投資情報が信頼できるものになることから、公認会計士は「資本市場の番人」あるいは「資本主義経済のインフラ」と呼ばれています。
三大国家資格の1つ
公認会計士はこの様に重要な役割を担っているため、試験も難しく、医者・弁護士と併せて三大国家資格の1つとされています。ちなみに、三大○○と言うのは、大抵三番目かどうか微妙な人が言い出すことが多いです。世界三大夜景といわれて日本人は三番目に函館や長崎を挙げたがりますが、世界的にはこういった日本の街は無名だったり。世界三大美女の三番目に小野小町が挙げられますが、小野小町は日本以外では無名だったり。ですので、三大国家資格と言わなければならない点に、公認会計士業界の苦悩が顕れていると見るべきでしょう。
しかし、三大かどうかは置いておくにせよ、公認会計士が立派な資格であることは間違いないです。
公認会計士は依頼主ではない人の利益のために働く
三大国家資格を取得した人はいずれの資格の場合でも「先生」と呼ばれます。ですが、その同じ先生と呼ばれる三大国家資格の中でも公認会計士の特徴は何でしょうか?弁護士は依頼人から報酬をもらい依頼人のために法廷で戦います。医者は患者から料金を受け取り患者のために治療します。ですが、公認会計士は企業からお金をもらい投資家のために財務諸表監査をします。つまり、依頼人と利益の享受者が異なっている点が特徴的であり、この点にやりがいがあると言えるでしょう。
公認会計士が自動的に出来る他の仕事
公認会計士は税理士や行政書士に無試験で登録できます。つまり、公認会計士は税理士や司法書士の上位互換の資格であると言えます。公認会計士は会計系の最高峰の資格であると言われる所以です。公認会計士の年収
厚生労働省の平成27年度賃金構造基本統計調査によれば、公認会計士・税理士の平均年収は718.8万円です。税理士を除くと少し増えると考えられるため、平均年収は800万円程度と推定されます。コーポレート・ガバナンス強化と公認会計士の役員就任
日本の株式市場は従来閉鎖的でしたが、これを国際化しよう、外国資本の日本への投資を呼び込もう、という動きが昨今活発です。この国際化を達成するためには、外国投資家が日本企業を信頼する必要があります。このため、コーポレート・ガバナンスを強化し馴れ合い経営と決別する必要があります。公認会計士はこのコーポレート・ガバナンスを支える人材としての期待が高く、取締役や監査役の選任に際して考慮されることが今後増えていくでしょう。公認会計士の転職
監査法人への転職
今は監査法人全入時代ですから、試験に受かれば4大監査法人のどこかは拾ってくれます。監査法人以外への転職
公認会計士という資格は、会計に関してのスペシャリストである証明になる訳ですから、一般の事業会社への転職に際してもこの資格は役に立つことは自明です。公認会計士の要件
最後に「公認会計士」と名乗るための要件を一つずつ確認しておきましょう。- 公認会計士試験合格
- 実務補習修了
- 修了考査
- 2年間の実務経験
- 年間10万円以上の年会費を払うこと
公認会計士試験に合格すること
5つの要件の中で群を抜いてハードルが高いです。実務補習修了
試験合格後、1~3年間補習所に通う必要があります。ただ、3年間で300時間程度なので、公認会計士試験の勉強(2年間で1500時間程度)と比べれば大したことはないでしょう。修了考査
実務補習所の卒業試験の様なものです。合格率は70%程度と高く楽勝の試験の様に思えますが、その分落ちるととても恥ずかしいです。2年間の実務経験
会社で2年間経理や予算編成に携わればいいです。年会費を払うこと
監査法人なら法人が出してくれますが、一般の事業会社であれば出してくれない会社も多く、公認会計士を名乗る上で2番目の障害が年会費の負担であると言えると思います。公認会計士試験の概要
続いて公認会計士を名乗る上で最大の難関である公認会計士試験の概要を見て行きましょう。受験者数と合格率
平成28年度の公認会計士試験の受験者数は10,256人で、短答式(一次試験)の合格者数は3138人(合格率30.6%)、論文式(二次試験)で1108人(論文式単体で合格率35.3%、短答式と合わせて10.8%)です。受験する母集団が異なるため合格率だけで単純に比較出来ませんが、合格率だけを見れば最新の第143回簿記1級の10.9%と同程度で、異常に難易度が高い訳ではないです。受験者の母集団
首都圏の中学歴私大生もしくは中学歴国立大生が多いです。公認会計士試験を受けようとするこの私大生達は頭の回転がやや遅いものの非常に真面目で青春を投げ出す長時間の勉強を苦にしない、という特色を持ちます。こういう方が受けた上での合格率10.8%は結構低い数字と言えそうです。短答式と論文式
先ほどほのめかした通り、公認会計士試験に合格するにはは短答式試験(一次試験)と論文式試験(二次試験)の2つの試験を突破しなければなりません。短答式試験はマークシートで毎年12月と翌年の5月に開催され、どちらかに合格すると論文式試験を受験することが出来ます。科目は財務会計論(40%)、管理会計論(20%)、企業法(20%)、監査論(20%)の4科目です(カッコ内の割合は総得点に対して占める割合です)。各科目の合計で約70%を取る必要があります。(受験生の出来によって多少の上下はありますが)絶対評価と言っていいでしょう。ただし、足切りがあり、40%を下回る科目が1つでもあるとダメなことがあります。
論文式試験は記述式で毎年8月のお盆明けに開催されます。科目は会計学(43%)、企業法(14%)、監査論(14%)、租税法(14%)、選択科目(14%)です。会計学は事実上財務会計論と管理会計論の2科目と考えて良いため、全部で6科目です。選択科目は経営学、経済学、民法、統計学から選択です。(選択科目の選び方という記事も書いてますのでご覧下さい。)論文式試験は偏差値52点以上の人が合格する相対試験ですが、偏差値40点を下回る科目が1つでもあるとダメです。
ご覧の様に科目数が多く大変です。
科目免除
以下に列挙する一部の方は受験科目を減らせますが、該当する人は少ないと思います。また、そもそも以下に該当するような人は科目免除してもらわずに、その科目を受けて他の受験生に差を付けた方がいいと思います。- 大学で商学や法学や経済学の教授や准教授をやっているか、博士号を持っている
- 司法試験合格者である
- 税理士になる資格を有するか、税理士で科目合格している
- 不動産鑑定士試験に合格している
- MBAを持っている
- 会計または監査に関する業務に7年以上従事している
科目合格
税理士試験と同様科目合格制度があり、各科目で公認会計士監査審査会が決めた点以上取れば科目合格出来ます(平成28年だと偏差値55.7点でした。)が、税理士との根本的な違いがあります。税理士試験では科目合格が永遠に有効なのでゆっくり何年でもかけて勉強が出来ますが、公認会計士試験の科目合格は2年間しか有効ではないのでその短期間に全科目を仕上げる必要があります。各科目の難易度
各科目で出てくる問題1つ1つはそこまで難しくはありません。テキストを見れば答えが載っている様な問題がほとんどです。ですが、試験範囲が広いため、試験会場で正しく答えるのは必ずしも簡単ではありません。公認会計士試験の難易度
以上をまとめると、公認会計士試験は難しい訳ではないが科目数が多いため上手に要領良く勉強する必要があり、受験生の総合力が試される大変な試験だと言えます。他の会計系資格試験との難易度比較
公認会計士は税理士と行政書士になれると前述しましたが、試験自体の難易度を同じ会計系資格で比較しておきましょう。税理士
公認会計士の次に難しい会計系の資格です。受験者数は延べ70,000人程度、合格率は10~20%程度です。ただし、時間的な制約のない科目合格制度があるので税理士資格を取ること自体は公認会計士取得と比べると簡単でしょう。簿記検定
一番お手軽な会計系の入門に位置付けられる資格です。簿記1級だと受験者数が年間で延べ20,000人程度、合格率が10%程度です。簿記はお手軽ですがなめてると意外と難しいです。単純に仕訳のややこしさで評価するなら、公認会計士試験や税理士試験よりも簿記1級の方が難しいかも知れません。ただし、試験範囲が狭く試験時間も長めであることから、会計系資格の中では取得が一番容易です。
合格までに必要な勉強時間の目安
一般的に言われている必要時間と本当に必要な時間
一般的に言われている必要時間
公認会計士試験に合格するためには4000時間必要だと一般的には言われています。毎日8時間を睡眠や食事などで使うと考えると、それ以外の時間は1年で5840時間です。社会人の正社員だと、仮に残業が0時間だとしても、1800~1960時間は働きます。もし本当に4000時間必要なら、2年で合格するためには1年に2000時間勉強する必要がありますので、会社での労働時間とほぼ同程度の時間を勉強に費やす必要があり、結構な負担だと言えるでしょう。本当に必要な時間
ですが、私は仕事で会計に関わっていないにも関わらず、1.5年で合格しました。その実体験から、効率良く勉強すれば1500時間程度(予備校のカリキュラム以外で600時間程度)勉強すれば2桁順位で合格できると考えています。会社で経理業務をやっていたりすれば、もっと少ない勉強時間で上位合格できるでしょう。下位合格でよければ、勉強時間を更に削れます。これなら勉強期間2年を前提とすると、平日1時間、土日祝日4時間の勉強で十分です。これ位なら、社会人でも、残業があっても、家族があってもなんとかなりそうではないでしょうか?
詳しくは公認会計士試験合格にどの程度の勉強時間が必要なのか?を読んで下さい。 また、合格体験記という程しっかりしたものではありませんが、公認会計士一発合格までの時間の使い方と成績推移に私の実際の時間の使い方を記載させて頂いております。
予備校か独学か、通学か通信か?
公認会計士試験の勉強をするには、予備校に通うか通信か独学かの3通りの方法があります。費用
選んだ予備校と何年コースかにもよりますが予備校に通った場合は、受講料で40~70万円、参考書・教材代で1~5万円程度だと思います。独学の場合は、参考書の入手で10万円、問題集の入手や模試の受験で10~15万円程度だと思います。つまり、独学の場合は30~50万円程度安く済ませることが出来ます。予備校のカリキュラム
多くの予備校では1~2年コースを準備していますが、学生を含めて1.5~2年コースで勉強することが一般的です。授業時間は600~900時間です。通学と通信と独学
通学のメリット
- 学生の受験生のレベルが低いことが確認できる
- 公認会計士試験のテキストは難しいです。通信や独学だとこれを全部理解するのか・・・と思ってげんなりすると思います。でも、予備校に通うと、みんなあんまり理解できておらず、ただ丸暗記している受験生が多いことに気付くはずです。それに気付くと安心出来ます。
- やる気がなくても授業時間に勉強できる
- 私の様にモチベーションが低い受験生は、予備校で授業がないと勉強しません。そういう人は取り敢えず授業だけでも受けておけば、授業時間は勉強したことになります。
- どの論点が重要かがよく分かる
- 独学だと参考書のどこが重要かがよく分からないかも知れません。ですが、予備校はその独自の研究に基づいて重要論点を強調しながら授業してくれます。
通信のメリット
- 残業があってもなんとかなる
- 自分のペースで勉強できるというのはメリットです。一方で、モチベーションの高い人でないと勉強のペースが乱れる可能性があります。
独学のメリット
- お金がかからない
- 教材代を考えるとそこまで安くなっている訳ではありませんが、初期投資額をある程度抑えられていることは事実だと思います。
- 残業があってもなんとかなる
- 通信と同じですね。
予備校比較(特色・評判)
大原
- 受講料 60~75万円
- 校舎数 39校
- 合格実績(2015年) 381人/受講生 推計2200人
- 合格実績(2016年) 406人/受講生 推計2200人
- 予備校最大手の1つ
- 最大手であるため、講師の人数も多く試験委員の研究も行きとどいています。そのためテキストの質は高いです。
- 後述しますが、素点ではなく偏差値で合否が決まる公認会計士試験では、出来不出来が割れる問題を解いた人よりみんなが出来る問題を解いた人の方が合格可能性高くなります。ということは、受験生の大多数と同じ教材を使って勉強している方が有利です。
- 講師は必ずしも公認会計士試験合格者とは限らない
- 公認会計士試験に合格していなくても教えている科目に秀でていれば問題ないという考え方の様です。それはそれで一理あります。
- 講師が校舎に常駐している
- 公認会計士でない人が講師をしているため、授業をしていない時に講師が校舎で質問を受けることができます。
TAC
- 受講料 65~80万円
- 校舎数 : 35校
- 2015年合格実績 : 372人/受講生 約2,000人
- 予備校最大手の1つ
- 最大手の1つであるため、講師の人数も多く試験委員の研究も行きとどいています。そのためテキストの質は高いです。
- 後述しますが、素点ではなく偏差値で合否が決まる公認会計士試験では、出来不出来が割れる問題を解いた人よりみんなが出来る問題を解いた人の方が合格可能性高くなります。ということは、受験生の大多数と同じ教材を使って勉強している方が有利です。
- 講師が基本的に公認会計士試験合格者である
- 公認会計士試験に合格した人が講師をしているので、その科目だけではなく全体的な勉強の仕方についても相談できるでしょう。また、公認会計士の実務の話も雑談で聞けるので、合格後のイメージが湧くと思います。
- 講師が校舎に常駐していない
- 公認会計士の人が講師をしているため、授業をしていない時には講師の方は別のお仕事をされており、校舎で質問ができる時間が限られています。
東京CPA会計学院
- 受講料 80万円程度
- 校舎数 : 2校
- 合格実績(2016年) : 95人/受講生 推計400人
- ホームページをみると、合格率は47.3% (95人/201人)と一見高そうですが、この一見高そうな合格率には裏があります。分母が全受講生ではなく、カリキュラムの出席率が高かった受講生のみになっています。短答までのカリキュラムには頑張って出席していたけど短答がダメだった62人や、出席率が低い受講生150人程度が分母に含まれていないと推定すると、受講生は400人程度で合格率は20%程度だと思います。
- 慶應義塾生御用達の公認会計士予備校。慶応義塾生のために存在していると言ってもいいでしょう。慶應義塾生でなければおすすめしません。
- 講師が基本的に公認会計士試験合格者である
- 公認会計士試験に合格した人が講師をしているので、その科目だけではなく全体的な勉強の仕方についても相談できるでしょう。
LEC
- 受講料 60万円
- 校舎数 : 33校
- 合格実績 : 非公表 (推計 30人程度?)
- 合格実績非公表です。公表できないということは、大原、TAC、東京CPAより1ランク落ちると見ていいでしょう。また、2016年の合格者1100人の内900人程は既に大原、TAC、東京CPAで占められており、残りが200人程であることを考えると合格者数は30人程度と推計します。
- 短答式合格前と合格後にカリキュラムが分けられている
- 短答でのギブアウェイが発生するため、勉強の効率という点を考えるとこれは効率悪いです。
- 一方で、カリキュラムが分けられているということは、最初に払う授業料が安いということでここは魅力です。
- 入門期と上級期で講師が変わる
- 異なる教え方に触れられるという意味でこれはいい点だと思います。
- 短答式の解答速報が間違っていたということがよくあるそうです。
クレアール
- 受講料 40~65万円
- 校舎数 : 1校
- 合格実績 : 非公表 (推計 15人程度)
- 合格実績非公表です。公表できないということは、大原、TAC、東京CPAより1ランク落ちると見ていいでしょう。ホームページに合格祝賀会の写真が載っていますが、結構こじんまりしており、合格者の少なさを伺い知ることが出来ます。
- 非常識合格法とスピーチというなんだか少し怪しげなことを唱えていますが、ここに通った人の話を聞いたことがないのでどんなことをしているかよく分からないです。
- 受講料がとにかく安い
おすすめの予備校
それぞれの予備校の特色を見てきました。ここで、どの予備校を選ぶべきかのポイントを書き並べます。参考にして下さい。生活圏に近い予備校
学生であれ社会人であれ生活圏に近い予備校は便利ですが、特に社会人は生活圏に近い場所にある予備校を選ぶべきです。後で述べますが、社会人にとって最大の難関は継続性です。予備校が家から遠いと、それだけでサボりたくなります。なので、生活圏に近い予備校を選びましょう。大手の予備校(大原かTAC)
素点ではなく偏差値で合否が決まる公認会計士試験では、周りが出来る論点は出来る様にしておくというのが結構重要です。なので大手の予備校を選んで周りと同じ教材を使うというのは効果的です。また、大手であるということは、教材や指導内容の決定も会議を通じて決定しているため、指導内容に偏りが生じにくいということです。これもいい点だと思います。
大原とTACで迷う時は、先生に質問したいなら大原、実際に試験に受かった人に習いたいならTACと決めればいいでしょう。
短答式用と論文式用でカリキュラムが分かれていない学校(大原かTAC)
短答式の成績は(本人を含めて)誰にも分かりません。である以上、短答は合格できさえすればそれで十分ですし、それ以上の勉強は無駄です。その意味において、短答式と論文式でカリキュラムが分かれていない予備校がいいでしょう。安く済ませたいならクレアールかLEC
どうしても安く済ませたいなら、クレアールかLECにするといいでしょう。パンフレットや無料相談会が気に入った予備校
色々書きました。書きましたが、結局最後はあなたに合うかどうかです。パンフレットの取り寄せや相談会への参加は無料です。そこで気に入った学校を選ぶのがいいと思います。社会人は働きながら公認会計士試験に合格出来る!
働きながらは無理だという誤った結論の根拠
公認会計士がどういうもので、試験の難しさがどの程度かが分かったところで、社会人の皆さんは次の疑問を持つはずです。「公認会計士試験には働きながら合格出来るのか?」
この質問に対しては以下の様な理由を並べて否定的な見解を述べる人が多いです。
- 働きながらでは勉強時間を確保できない
- 社会人になって年を取ると記憶力が低下する
- 背水の陣を敷かない社会人は本気度が低い
でも、本当に社会人に公認会計士試験合格は無理なのでしょうか?
公認会計士受験業界がなぜ社会人に冷たいのか?
それは、社会人には公認会計士は無理、と言うのが、全員が望む答えだからです。- 勤勉な学生
- 必死で勉強しているのに、社会人が片手間で勉強して合格するとプライドが傷つく
- 親に言われて予備校に通っているけれど公認会計士に興味のない学生
- 社会人が片手間で勉強して合格すると親に言い訳出来ない
- 社会人
- 社会人は大変だね、と言ってもらうことで落ちた時、あるいは受験を諦める時の言い訳になる
- 予備校
- 20代の講師にとって年上の受講生は教えにくい
- 公認会計士試験合格者
- 社会人で合格できるとなると自分達の資格の価値が下がる気がする
働きながら公認会計士試験には合格できる
会計に触れたこともなかった30代の私が勉強時間が圧倒的に少なくても上位合格したことが、社会人受験が難しいという見解が誤っていることを証明しています。時間が足りなくても勉強の仕方次第で克服できます。社会人になると記憶力が低下するのではなく、集中して勉強できなくなるだけです。集中して勉強すれば何とでもなります。本気度が足りない人は学生でも落ちます。社会人であると言うことは言い訳にはなりません。仕事を辞めるべきか
「働きながら公認会計士試験に合格できる」と言われても、会社を辞めて受験専念するかどうかを悩む社会人の方もいるかも知れませんが、働きながら受験することを以下の理由でおすすめします。受験に専念するのはリスクが高い
リスクと言うのは、公認会計士試験に落ちるリスクではありません。公認会計士業界が変化するリスクです。公認会計士業界の浮沈は完全に一般の事業会社の業績に依存しています。景気が良くベンチャー企業のIPOもバンバン通っている時であれば、公認会計士業界は仕事が多いでしょうが、景気が悪くなれば仕事は減るでしょう。そうすれば当然監査法人の採用枠も減るはずです。
一般の事業会社への転職であれば、転職すると決めてから転職が決まるまでに早ければ1ヶ月もかからないでしょう。その間に景気が悪くなる確率はそこまで高くないかもしれません。それでも、「俺、転職活動に専念するから会社辞めるわ」とはならないはずです。
公認会計士試験の場合、勉強を始めて、試験を受けて、数か月後結果が出て、監査法人の内定をもらうまでに1~2年以上の時間がかかります。一般の転職活動よりも期間が長くリスクが高いのに、「俺、公認会計士試験勉強に専念するから会社辞めるわ」となるのはおかしいと思います。
監査法人の待遇が本当に良いかは疑問
公認会計士の年収は高い、と言われていますが、それは本当でしょうか?厚生労働省の平成27年度賃金構造基本統計調査によれば、公認会計士・税理士の平均年収は718.8万円です。確かに高い方でしょうが、一流上場企業であればこの程度を出してくれる会社はそれなりにあります。例えば、トヨタ自動車の平均年収は800~900万円です。そういう会社への転職と天秤にかけた時に、それでも監査法人が本当に良いかは難しい質問だと思います。
監査法人の働き方は一般の事業会社の働き方と異なる
一般の事業会社にお勤めの皆さんは、多分、長時間労働することが素晴らしいとは考えていないでしょう。生産性の高い効率の良い仕事の仕方についていつも考えているはずです。しかし、監査法人は、長く働けば働くほど素晴らしいという昭和な(ややブラックな)考え方が支配しています。そのやや時代錯誤な考え方に抵抗がある場合、監査法人勤務は合わない可能性があります。
受験に専念したら合格出来て当たり前
仕事と公認会計士試験を両立させられる人は、どんな仕事も要領よくこなせるはず。
会社を辞めれば時間が無尽蔵にあるので、公認会計士試験は誰でも受かるでしょう。ですが、仕事と公認会計士試験を両立させるためには頭を使わなければなりません。それが出来るということそのものに価値があると私は思います。退職するのはいつでも出来る
どうしても監査法人に転職したいのであれば、そして受験専念しないと合格できそうにないのであれば、どんなに私が止めても会社を辞めるはずです。そもそもこのページを読みには来ないでしょう。このブログを読んで悩んでいるのであれば、受験専念する必要はまだないのです。まずは仕事との両立を目指して、会社を辞めるかどうかはその後で考えればいいのです。公認会計士は目指す価値があるか
公認会計士の仕事・試験制度の概要が分かり、働きながら合格できるということを踏まえた上で、公認会計士という資格は目指す価値があるのでしょうか?あると私は思います。
監査法人に転職したい場合
説明不要ですね。監査法人に就職するには公認会計士試験合格が必須です。監査法人に転職しない場合
監査法人に入って監査をしたいという人にとってはもちろんですが、そうではなく事業会社で生きていくつもりの人にとっても、以下の理由で公認会計士という資格は役に立つと思います。公認会計士の資格はエルメスの鞄である
公認会計士という資格は、会計・監査について会社の中での第一人者になれる素養があることの客観的な証明になります。エルメスの鞄を持っていることがお金持ちであることを示唆する様なものです。この資格を活かして、将来的にCFOとして働くことも出来るかも知れません。
コーポレート・ガバナンス強化という時代の流れにふさわしい資格である
公認会計士はコーポレート・ガバナンスを支える資格なので時代の流れに合致しており、役員への就任に役立つかもしれません。公認会計士の資格がセーフティーネットになる
今監査法人に転職するつもりがなくても、公認会計士という資格はセーフティーネットとして機能しますので、リスクの高い仕事にチャレンジしやすくなるでしょう。公認会計士資格取得に際して出会った新しい考え方や人脈は宝物になる
公認会計士資格取得に際して出会った人達は、みんな日本の会計業界を支えている人達です。そういう人との出会いは人生を豊かにしてくれるでしょう。働きながら合格するために (社会人が公認会計士試験に合格するための障害とその克服法)
モチベーションの維持と継続性
障害1 モチベーションの維持と継続性
社会人が公認会計士試験の勉強をする上でモチベーションを維持するのは難しいです。- 既に収入があるので合格しないでも生きていける
- 学友が少なく勉強が孤独になる
しかし、これは問題です。
マラソンを走ったことがある方はご存じだと思います。走り続けている限り、どんなに遅くてもそれなりのペースでゴールまでたどり着けます。 しかし、25km地点を過ぎてくると歩きたくなります。立ち止まりたくなります。「あの電柱まで、電柱までだけ歩こう。10秒だけ、10秒だけ立ち止まろう。」そう思ったが最後、再び走り出すにはそれまで以上の精神力が必要となり、ゴールまでたどり着けなくなります。
勉強もそれと同じことです。継続性を失うと勉強も上手く行きません。
どんなにゆっくりでもいいんです。毎週少しずつ勉強することが大切です。
対策
-
予備校で学友を作る。
- 学友を作ると、その学友の手前恥ずかしい成績が取れなくなりますので、モチベーションの維持に役立ちます。
-
どんなにサボっても授業だけは出席or視聴する。
- 毎週少しずつ勉強することが大切です。
勉強時間の確保
障害2 勉強時間の確保
結婚していれば家事育児もやらなければなりません。試験直前に緊急の仕事で残業を命じられることもあるでしょう。社会人であると言うことは、勉強に専念できないと言うことです。対策
-
効率の良い勉強を意識する (時間が確保できないなら効率を上げるしかありません)
-
理解を重視することで反復回数を減らす
- 反復練習は、失敗体験を通じて記憶を体に刻み込むのに有効ですが、社会人に失敗体験を積み重ねている時間はありません。しっかり理解することで反復回数を減らしましょう。
-
重要論点を重視する
-
重要論点は、ただ頻出するだけではありません。周りのライバルは正解してしまいます。つまり、重要論点を落とすと、みんなが取れる問題を落とすことになります。
みんなが正解する問題を落としてはいけない、とよく言いますが、これには以下の3つの理由があります。なので、重要論点は重視しなければならないのです。- 頻出である
- 覚え易い論点である
-
偏差値に影響する
- 受験生によって出来がバラバラの問題を落としても、偏差値はそんなに低くなりません。しかし、みんなが取れる問題を落とすと偏差値は激減します。つまり、偏差値で合否が決まる公認会計士試験において、みんなが取れる問題を落とすことは致命傷になります。
-
重要論点は、ただ頻出するだけではありません。周りのライバルは正解してしまいます。つまり、重要論点を落とすと、みんなが取れる問題を落とすことになります。
-
人生経験と結び付けて勉強する
- 社会人の皆さんには豊富な人生経験があるはずです。なので、公認会計士試験の勉強を実際の社会経験、過去の経済ニュースと結び付けてできるはずです。そうすることで、理解が深くなるでしょう。
-
理解を重視することで反復回数を減らす
-
家族とよく相談する
- 勉強しようと思っている休みの日に、子供から「遊んで」と言われると勉強できません。家族の理解・協力がなくては、公認会計士には合格できませんので、家族とよく相談して下さい。
短答が難関
障害3 短答が難関
勉強時間の観点からも確かに短答は難しいです。ただ、これは効率のいい勉強をすればなんとかなります。社会人にとって短答が難関となるのは別の理由が主になると思います。社会人の仕事は辛いです。ですが、社会人の皆さんが事業会社でやる仕事はいずれも結果が目に見えます。実社会に役立っています。営業の皆さんが頑張れば、商品が店頭に並びます。予算編成を担当している皆さんが頑張れば、来年の予算配分がより効率的になり会社の収益が良くなるでしょう。技術畑の皆さんが頑張れば、より良い品質の製品がより安く店頭に並びます。この意味において、社会人の仕事は辛いですが楽しいです。
しかし、短答式の勉強はつまらないです。無意味です。(勉強の仕方にもよりますが、)ただ覚えるだけの作業になり易いです。価値のある仕事をすることに慣れた社会人にとって、短答の勉強は苦痛です。
対策
-
実体験や新聞の記事と絡めて短答の勉強をする
- こうすることで効率の良い勉強にも役立ちますし、つまらない暗記作業がちょっとだけ楽しくなります。
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短答の勉強は重視し過ぎない
- 論文式試験の場合は成績が送られてきますが、短答でいい成績だったかどうかは(本人を含めて)誰にも分かりません。自己採点をしたところで、その採点結果が合っている保証はないです。分かるのは唯一合格しているかどうかです。であれば、短答式で全問正解することは無駄です。短答式試験は合格最低点を取ればいいんです。
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割り切って考える
- どうしても興味が持てない場合は、短答式の勉強は修行みたいなものだと割り切って考えて勉強するしかないかもしれません。
最後に
この記事を読んで公認会計士が少し魅力的に思えたけれども予備校の受講料が高く目指す踏ん切りがつかない方も多いと思います。その気持ちはよく分かります。そういう方は簿記2級の試験を受けてみて下さい。簿記は会計系資格の入門と位置付けられる資格です。簿記の試験はテキスト代も安いですし、必要勉強時間も短いです。独学でもなんとかなるレベルです。
簿記の勉強を通じてそれなりに会計のことを理解できそうだと感じられたら、それから公認会計士試験を目指すのでも遅くはありません。
簿記がなんとかなれば公認会計士試験に合格することはたやすいと思います。
この記事を読んで公認会計士試験を受けてみたいと思った方は、このサイトからじゃなくてgoogleから検索してで構いませんので予備校の資料請求をすることをおすすめします。
公認会計士の資格がなくても、社会人の皆さんは生きていけます。ですが、公認会計士の資格があることで新しい人生が拓けるはずです。皆様の合格をお祈りしております。
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